インテリアの歴史

古代

インテリアにおける歴史は非常に古く、古代エジプトの時代にまで遡ることができるが、その頃のインテリアは一部の特権階級のみが用いた権力誇示の手段であった。古代ローマの時代になると一部の上流階級では、大理石張りのモザイクや漆喰塗りのフレスコの壁画などが飾られ、家具もまた象嵌や彫刻など装飾性の高いものが使われている。一方、一般家庭は生活に最低限必要な道具(家具、調理設備)などは備わっていたが、装飾性を伴うようになるのは随分と後の時代である。

中世

11世紀頃になるとギルド制によって手工業が発達したこともあって、家具が大量に出回るようになり、ようやく庶民の手にも届くものとなってくる。家具類は机や食器棚などであるが、庶民の用いていたものはまだ装飾性は見られない。一方、上流階級の用いたものは装飾性も備わり、イスラム文化から伝わった唐草、渦巻き紋様やステンドグラスの窓などが見られるようになった。

近世

15世紀、ルネッサンスの時代になると、建築家が一つのステータスを得るようになり、こぞってより優れたデザイン構築を研鑽した。それによって彫刻技術も飛躍的に進歩し、壁や天井には精緻な彫刻が施され、華麗さを増していった。一方、庶民の間でも住宅に暖炉を配し、家具を揃えるようになっており、インテリア文化の骨子が整ったといえる。また、この頃の家具は椅子などに羽毛などが使われ始め、インテリアにファブリック(布製品)の概念が用いられるようになった。その後バロックの時代を迎えると、家具の装飾性はさらに増していき、イタリア製の家具はステータスシンボルにもなった。一方、ヴェネツィアを中心にガラス工芸も発達し、インテリアの一アイテムとして採り入れられるようになった。ロココの時代になるとさらに芸術性、装飾性が増し、家具に花鳥のデザインを施したものが見られ、より艶容なものに変わっている。その後、ネオクラシシズムと呼ばれる回帰現象が起こり、中産階級にも受け入れられる堅牢、かつ端整な家具や装飾が好まれるようになる。

近代

その後劇的な変化を遂げたのが近代の産業革命である。それまで装飾の主役であった木、大理石といった素材に代わり、鉄とガラスが加わることになったからである。これらの大量生産はインテリアの方向性も大きく変え、インテリアをより工業的なものに変えていった。その結果、装飾性より機能性が重視されるようになり、特にアメリカではその傾向が顕著となった。デザインも斬新、かつ奇抜なものも増えていく。一方、フランスでは従来の装飾美術を重視した、アールデコと呼ばれる風潮が席捲し、アメリカでもバウハウスなどが登場し、時代の趨勢を受け止めつつ、従来の装飾文化の在り方を見直す動きも盛んになった。その間に、時代時代毎に刻まれた文化における装飾の統一性は徐々に失われていった。

現代

現代ではモダニズム、ポストモダニズムという変遷を経て、今日に至っている。また、古くより独自の装飾文化を持っていた日本が大きく世界にも影響を与えている。これは日本の住宅が西洋化したことが大きく関わっている。後述するインテリア産業の爛熟も、それに因るところが大きい。